VALU騒動について思うこと

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VALU


ここ2,3日で話題になている某YouTuberのVALU騒動について。
いったい何が問題で、何が起こっているのか?と、見解について述べたいと思います。

経緯

経緯の細かいことについてはほかに譲るとして、
大まかな。8/17日現在までの経緯は以下の通り。

ヒカル氏が所属するネクストステージ集団がVALUをはじめる
 ↓
ヒカル氏、買いを煽るツイートをしてVALUがストップ高となる ※1
 ↓
VALUの価格が上がり続ける中、ネスクトステージ顧問の井川氏やヒカル自身が持ってる全VALUを終値で売り出す ※2
 ↓
終値で売り出したことによりヒカルのVALUは大暴落する
 ↓
ヒカル氏、買いを煽るツイートを削除してVALUの優待はやらないと発言
 ↓
自分たちの得た利益で大暴落したVALUを過去最高値で買い戻すと発表!!

何が問題なの?

問題の焦点となるのは※1や2の部分。

まず1について”ヒカル氏、買いを煽るツイート”をした
ということですが、そのツィート自体が消えているのでわかりませんが、情報を総合すると
”明日動きます”というような内容だったようです。
買いあおっているかどうかは微妙なところですが、ツイート自体を消してしまったのが問題だと思います。

また、VALUのコメント欄にあった優待情報については、ヒカル氏自身が以下のように述べています。

確かに、優待期限が販売前ですね。写真の画像も誰なんでしょうか?
なぜ表示されたのかがこれだけではよくわかりませんが、よくありがちな初期設定時のサンプルなのだと思われます。
ただ、優待情報というのはかなり重要な事項です。サンプルとはいえ本人の意図しない表示がされてしまうような仕様は問題があるように思われます。

これも、消さなければよかったのにと思います。消したせいで、事実誤認されたまま情報が拡散してしまいます。

問題点2の部分
まず、関係者が売り抜けしてしまった部分について。
多くの人に買ってほしいので放出した、というようなことを述べていたようですが。これはうーん・・・という感じですね。
初めてからだいぶたった後で、自社株がなくなってしまったとかならともかく、まだ始めたばかり。あまりにも場当たり的な運営です。

VALUの仕組みの問題としては、株を譲渡するような機能はなさそうなので移動には売買するしかないというのも問題な気がします。

現状の結末としては


ということで、本人が取引の最高値で買い戻すことになりました。

VALUも以下のような対応とするという見解を発表しました。
ヒカル氏、ラファエル氏、いっくん氏(禁断ボーイズ)及び井川氏に関する対応について

“一連の売買をキャンセルする”という対応ですが・・・どうなんでしょうねこれ?
現在、最高値で自社株買いをしているので、そのまま売ればもうけが出るという人がいるのではないでしょうか?つまり、売買がキャンセルされることで不利益を被る可能性がある人がいます。

売買を”キャンセル”というのは、市場の信用を大きく損なうことになりかねません。
“運営にとって都合が悪い売買はキャンセルされます”なんてことになれば、市場の意味がありません。
対象者が持ち逃げした、ということならわかりますが、自社株買いをしている状況であれば、これはダメな手ではないかと思うのですが…。

また、自社株買い前に、”損切りした”という方もいる可能性がありますが、この方法ではすでに手放してしまったため保証が受けられません。どうするのでしょうか?

これに対する一般的な見解は

いろいろな見解がありますが、多くは批判的です。
法的な解釈としては、弁護士の方は以下のように述べています。


まとめると、”株ではないのでインサイダーには当たらないが、上記※1の部分が成立すれば、詐欺罪になる可能性はある”ということだと私は解釈しています。

私の見解

これに対する私の見解です

ヒカル氏とその取り巻きの仲間について

まず、間違いなく言えるのは、ヒカル氏やその関係者はVALUの仕組み、株の仕組みを理解できていなかったのではと思います。
おそらく、ヒカル氏は、一般的なクラウドファンディングの仕組みのと勘違いしていたのではと思います。

ヒカル氏のこの発言からもそれがうかがえます。

”純粋に支援してくれる人”を探したいのであればVALUを使う必要はないんです。というか、使ってはいけなかったんです。
単純に、一口いくらで私を応援してください!というものですね。
クラウドファンディングであれば、これで全く問題はなかったと思います。

ですが、株の仕組みに似せたVALUでは問題です。
その、”一口”の価値が変動して売買がされるという点を見逃しています。
おそらく、”多くの人に応援してもらいたいから”という意味合いで全株放出したのだと思いますが、市場に出回る株の数が増えれば、1株当たりの価値が下がる、ということを理解していなかったのかもしれません。

VALUについて

株式公開ルールが貧弱すぎます。
一般の新規公開株の公開は、公募価格に対して一定期間公募を行い、抽選によって販売するようになっています。
上場にあたっても証券会社が監事となって公募価格や発行枚数などが決定されますので、めちゃくちゃな価格になることはほとんどありません。
また、関係者は上場後、一定期間売却ができないなどのルールもあります。
株のルールや法律、市場原理を理解している証券会社がきっちり監視いるということですね。

また、入会についてもちょっと疑問です。
FaceBookがあればいいということですが、お金がからむ以上、銀行の口座開設程度の身元確認が必要なんじゃないでしょうか?
FaceBookは何の確認にもなりません。実際、ヒカル氏のFacebookは現在閉鎖されているようです。

まとめの見解

たぶん、ヒカル氏に悪意はなかったんじゃないかと思います。
“VALUを金もうけに使うな”ということで、義憤に駆られて今回の行動になったというのはあるかもしれませんが、これはまぁVALUに対する理解不足ですね。
別に、金もうけすることは違法でも何でもないんですよ?言わんとすることはわかるが、そう思うなら使わなければいいじゃないでしょうか?

もし、金もうけが目的であれば、もっとうまい方法がいくらでもあったと思います。
単純に、株を小出しに売っていけばトラブルにはならなかったし、ヒカル氏ほどの方であれば億単位の資金が手に入ったはずです。
仮に、”現在資金繰りが厳しいため、早急に現金を用意する必要があった”というのも考えられますが、彼の言っている収入が本当であればこれで得られる金額は収入に対してそう多くはありません。今後を考えればこんなことをしても意味がないんです。
結果的に、買戻しで損していますし、今後、YouTubeの収入や企業案件が激減することでかなりの損失を被るはずです。

また、先にも述べましたが、”証拠を消してしまった”というのも問題です。
こういった炎上トラブルで、早急に消してもいいのは第3者の権利やプライバシーを棄損するものにとどめるべきです。
仮に、自分が不利になるようなものでも、安易に消すべきではありません。こういった情報を消してしまうことで、誤った情報が拡散してしまい、結局消さなかった場合よりもひどいことになることが多いのです。

VALUについても、たびたび問題にはなっていましたがついに表面化したかという感じですね。
VALUの理念については、あってもいいのではと思います。個人で活躍している人の資金調達が広がればもっと世の中が活性化していく可能性はあります。
ですが、先にも述べた通り、上場時のルールも不足があるように感じますし、身元確認もいい加減すぎます。
出資法違反には当たらないということらしいです。私は法律的なことはわからないので何とも言えませんが、個人的には何で大丈夫なの?とは思います。

麻生金融相も会見でこの件について述べたようなので、今後、VALUの仕組みについて何等か法的な縛りが出てくるのではないかと思います。

2017/8/18追記 先に紹介した弁護士の方が第3弾の動画を公開しました。

詐欺に該当するかどうかについては別として、結論については、ほぼ私の意見と同意見のようです。

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